2022年06月11日19時23分
【ベルリン時事】ウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツクでは、侵攻したロシア軍と抵抗するウクライナ軍の激しい市街戦が続いている。英国防省は11日の戦況報告で、市街戦で両軍に「大量の死傷者」が出ているもようだとした。ウクライナのアレストビッチ大統領府顧問は10日、侵攻開始以来のウクライナ兵の死者が、1万人に上ったことを明らかにした。
英国防省によると、ロシア軍はセベロドネツクに陸空から激しい砲撃を加えている。ウクライナのゼレンスキー大統領は10日の演説で、「非常に困難な戦闘が続いている」と認めた。
ウクライナも東部や南部で反撃を試みている。ルガンスク州のガイダイ知事は10日、通信アプリ「テレグラム」で、セベロドネツク南方のスタハノフにあるロシア民間軍事会社ワグネルの拠点に砲撃を加えて破壊し、生存者は「1人だけだった」と主張した。拠点には300人が駐屯していたとも報じられている。
さらに、ウクライナ国防省は10日、南部ヘルソン州のロシア支配地域で、複数のロシア軍拠点に空爆を行ったと発表した。
ロシアに占拠された南東部マリウポリでは、医療が崩壊状態にある上に上下水道などのインフラが破壊され、衛生状態の悪化が懸念されている。同市のボイチェンコ市長は10日、英BBCに対し、コレラなどの感染症が拡大する可能性があると警告した。
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