【ニューヨーク=寺口亮一】国連総会は8日午前(日本時間8日深夜)、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への制裁を強化する国連安全保障理事会決議案に拒否権を行使した常任理事国の中国とロシアに理由説明を求める会合を開催した。中露は、制裁に反対する姿勢を改めて表明した。
拒否権行使の理由説明を求める制度は、ウクライナ情勢を巡るロシアの拒否権発動などによる安保理の機能不全を踏まえ、国連総会が4月下旬に決定した。今回が初の適用事例だ。
中国の張軍国連大使は「朝鮮半島の問題を解決するには、制裁発動や圧力強化という古いやり方の放棄が必要だ」と強調。ロシアの次席大使は「新たな制裁は北朝鮮の人道状況を悪化させる」と主張した。
これに対し、米欧や日本などは北朝鮮の核・ミサイル開発が国際社会の平和と安全に対する脅威と訴え、中露の対応を批判するとみられる。8日は少なくとも80の国・地域の代表が演説する予定だ。
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