【ニューヨーク=平田雄介】カナダの2019年と21年の総選挙で、トルドー首相率いる与党・自由党が有利となるよう中国が介入を試みたとの報道がカナダ国内で相次ぎ、トルドー氏は6日、非公開での調査を始めると発表した。野党の保守党は、「民主主義への脅威だ」とする世論を背景に、より広範な公開調査を要求するなど、カナダ政界は紛糾している。
問題の発端は、地元有力紙グローブ・アンド・メールによる2月の報道だ。記事は、情報機関の機密文書によるとして、中国が21年のカナダ総選挙で中国に友好的でない保守党の候補を落選させようとする一方、カナダ政界の分断を継続させる思惑から自由党が少数与党にとどまるよう工作を仕掛けたと伝えた。
カナダでは、19年の総選挙でも中国が特定の候補11人が当選するよう仕向けたとの疑惑があり、連邦議会が調査を進めている。
カナダ政府は、中国が選挙介入しようとしたことを認める一方、選挙結果への「影響はなかった」としている。トルドー氏は今月6日の会見で、調査開始の理由を「選挙結果が変わらなかったとしても、外国による介入の試みは厄介で深刻だからだ」と説明した。
トルドー氏によると、調査は2本立てで進み、連邦議会の国家安全保障委員会が情報機関の報告に基づいて中国の選挙介入の実態を調査し、カナダの情報機関の評価機構が当時の捜査状況を検証する。これらの結果の報告を受け、トルドー氏が任命する独立特別報告官が「次の適切な措置」を政府に勧告するとした。
一方、中国外務省の毛寧副報道局長は8日の会見で「中国は他国への干渉に反対している。カナダの内政に関心はなく、干渉もあり得ない」と反論した。
カナダのアンガス・リード研究所が1日公表した世論調査では、約3分の2が中国は選挙介入を試みたとの見方を示すなど、対中不信は強まっている。
【アメリカを読む】中国はいじめっ子 親中政権の変化示すカナダ戦略
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