岸田文雄首相は19日夜、インドを訪問するため、政府専用機で羽田空港を出発した。20日にモディ首相と会談し、中国とロシアに対抗する枠組みを強化するため、先進7カ国(G7)議長国として20カ国・地域(G20)議長国を務めるインドと連携強化を図る。22日未明に帰国する予定。
岸田首相のインド訪問は昨年3月に続き2回目。両首脳の会談は、モディ氏が安倍晋三元首相の国葬(国葬儀)に出席するために来日した昨年9月以来となる。
岸田首相は19日夜の出発に先立ち、公邸で記者団に、G7とG20のそれぞれの議長国として「日本とインドが国際社会においてどのような役割を果たすべきなのか、じっくり意見交換したい」と述べた。一方、自身が模索しているウクライナ訪問に関し「具体的に決まったものはない。検討を続ける」と語った。
岸田首相はモディ氏との会談で、中国による東・南シナ海での威圧的行動やロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けた協力を確認したい考え。5月に広島市で開かれるG7首脳会議(G7広島サミット)にモディ氏を招待する意向も伝える見通し。
首脳会談後、岸田首相はインドの政府系シンクタンクで演説し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた新たな行動計画を発表。海洋安全保障分野での人材育成などグローバルサウス(南半球を中心とした途上国)への支援拡充策を打ち出す。
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