中国の秦剛外相は7日、米中の緊張が一段と激しくなれば、衝突を防ぐガードレールを設けても軌道から外れる恐れがあると警告した。両国間の隔たりがさらに定着しつつあることを示唆した。
秦外相は昨年末の就任後初となる記者会見で、「米国は中国との競争に勝つことを目指すが、衝突は目指していないと主張している」とした上で、「だが実際には、米国側が言う競争はあらゆる面で中国の封じ込めや抑圧を図り、両国をゼロサムゲームに閉じ込めることを目的としている」と反論した。
秦氏は米国のこうした対中姿勢について、「両国人民の根本的利益のみならず、人類の未来まで賭けた無謀なばくちだ」と述べた。
外相就任直前まで駐米大使を務めていた秦氏は、地政学から世界経済に至るまで幅広い問題で米国を非難。台湾を巡る危機を招いたとして同国を批判したほか、ロシアのウクライナ侵攻を受けた制裁発動も非難。米利上げが一部の国からの資本流出を引き起こし、債務問題を悪化させたとも主張した。
秦外相はまた、米国のインド太平洋戦略を取り上げ、「対中包囲網」を目指したものだとの認識を示した。
「米のインド太平洋戦略は自由と開放を掲げ、地域の安全維持や繁栄促進をうたっているが、アジア太平洋版の北大西洋条約機構(NATO)を画策することで、実際には対立を引き起こす排他的な集団を形成する試みになっている」と分析。「アジアで冷戦を再現してはならず、ウクライナ型の危機も繰り返してはならない」と訴えた。
対ロ関係
秦外相はロシアとの協力関係を称賛。世界がより不安定化すれば、両国関係はますます重要になり得ると指摘した。
「中国とロシアは戦略的な相互信頼と近隣友好を特徴とする大国関係の道を歩み出した」と語った。
台湾問題
台湾問題については、中国にとって越えてはならない一線だとの立場をあらためて表明。「国家主権や領土の一体性を守るという中国政府と人民の強い決意と確固とした意思、強大な能力を誰も過小評価すべきではない」と述べた。
さらに、米国の台湾に対する姿勢とロシアによるウクライナ侵攻を直接結び付け、「米国はウクライナに関して主権と領土の一体性の尊重を論じているのに、なぜ台湾については中国の主権を尊重しないのか」と問い掛けた。
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原題: China Warns US Risks Catastrophe With Push to ‘Contain’ Beijing(抜粋)
(秦外相の発言を追加し更新します)
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