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TikTok一般利用禁止法案、バイデン政権支持 実現度増す - 日本経済新聞

【ワシントン=飛田臨太郎】米ホワイトハウスは7日、中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の国内利用を禁じる超党派法案を支持すると表明した。上院情報委員会のマーク・ワーナー委員長(民主党)が同日、法案を提出した。ホワイトハウスが賛意を示したことで、成立の実現度は増す。欧州や日本にも規制論が拡大する可能性がある。

ワーナー氏と野党・共和党のジョン・スーン上院議員らが法案を策定した。バイデン大統領にティックトックの禁止を強制する権限を与える。ホワイトハウスが同法案への賛否を明らかにするのは初めてで、規制に慎重な与党・民主党の議員に影響を与えそうだ。

ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が声明をだし「議会が法案を(成立させ)大統領に送付するために迅速に行動するよう強く望む」と述べた。「今日、直面している脅威に対処し、将来リスクが発生するのを防ぐのに役立つ」と法案の意義を強調した。

同法案は外国企業が所有するアプリやソフトウエア、電子商取引を巡り「米国の利用者に国家安全保障上の脅威を与える」と認められた場合に禁止を可能にする。商務長官と国家情報長官が拒否するサービスのリスクについて国民や産業界に情報を開示する。

ワーナー氏は7日「今日の脅威はティックトックだ」と述べ、法案の対象がティックトックになると明言した。「中国共産党による監視を可能にしたり、米国における悪質なキャンペーンの拡散を促進したりする可能性がある」と語った。

下院外交委は1日に同様の法案を、共和主導で可決した。法案の成立には、委員会に加えて上院・下院の本会議の審議・可決と大統領の署名が必要になる。民主内には「言論の自由」との兼ね合いなどから規制に慎重論があるが、バイデン大統領の要請で流れが変わる可能性がある。

米国ではおよそ1億人が利用しており、10歳代では3分の2を占める。若者を中心に人気が根強いものの、ティックトックへの懸念は高まっている。米CNBCのネット調査によると禁止に賛成した割合が6割を超えた。

予算や移民問題、気候変動などで激しく対立する与野党だが、対中強硬路線は一致できる数少ないテーマだ。サリバン氏は「民主党と共和党の双方と引き続き協力する」と明言した。

議会の法案審議の流れは与野党の幹部が決める。民主の上院トップ、シューマー院内総務らが党内の意見を集約できるかが今後の焦点となる。

欧州や日本では政府や議会の関係者を対象にティックトック利用を取りやめる動きが広がっている。一般利用を止める法規制が実現すれば、米国が先行する。

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