アフリカのスーダンでは、軍と準軍事組織のRSF=即応支援部隊が、新たに72時間の停戦に合意したあとも一部で銃撃戦や砲撃などが続いていて、停戦の維持が危ぶまれる状況となっています。
スーダンでは今月15日以降、軍と準軍事組織のRSF=即応支援部隊との間で武力衝突が起き、WHO=世界保健機関によりますと、これまでに459人が死亡したということです。
双方はアメリカなどの仲介で25日午前0時から新たに72時間の停戦で合意したと発表しましたが、地元のメディアなどによりますとその後も首都ハルツームでは、一部で銃撃戦や砲撃が続いたということです。
首都ハルツームにいる医師の男性はNHKの電話取材に対し、25日午後にはハルツーム郊外の医療機関が砲弾で被害を受け少なくとも10人がけがをしたと話していました。
またWHOは、武装した集団が首都ハルツームにある公衆衛生研究所に押し入って占拠し、軍事施設として利用していると明らかにしました。
研究所にはポリオウイルスやコレラ菌などが保存されているということで、WHOは強い懸念を示しています。
現地では、電力や水の供給が滞り、医薬品なども不足しているほか、強盗や略奪なども頻発しているということで、治安の悪化も深刻となっています。
各国が引き続き、現地にいる自国民の退避を進める一方、スーダンの人々が周辺国に逃れる動きも広がっていて、国連は最大で27万人が国外に逃れる事態になるおそれがあるとしています。
スーダン軍とRSFは互いに相手側が停戦合意に違反していると非難していて、停戦の維持が危ぶまれる中、人道状況のさらなる悪化が懸念されています。
WHO 公衆衛生研究所占拠に強い懸念
WHOスーダン事務所のアビド代表は25日、スイス・ジュネーブで行われた国連の記者会見に、退避先の東部の都市、ポートスーダンからオンラインで参加しました。
この中で、アビド代表は、首都ハルツームにある公衆衛生研究所に戦闘を続けている集団が押し入って占拠し、軍事施設として利用していると明らかにしました。
研究所にはポリオウイルスやコレラ菌などが保存されているということで、WHOは強い懸念を示しています。
会見では、この集団について具体的に明らかにされませんでしたが、すべてのスタッフが施設を去るよう指示されたということです。
アビド代表は、市内では電力が不足していることから「もし停電が発生し、スタッフがいなければ、生物学的な災害が起きる危険性が高い」と述べ、強い懸念を示しました。
一方、アビド代表などによりますと、今月15日に武力衝突が起きて以降、これまでに少なくとも459人が死亡し、4072人がけがをしたほか、医療施設を対象にした攻撃も14件発生し、これによって、8人が死亡したということです。
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