【ニューヨーク=大島有美子】米保険大手のAIGは26日、生命保険事業を分離する方針を発表した。主力の損害保険事業に集中する。2021年3月1日付でAIGの最高経営責任者(CEO)に現社長のピーター・ザフィーノ氏が昇格する人事も発表した。
分離を決めたのは生保と退職者向け保険事業。AIGは公表資料で「事業分離のための手段は決めていない」としつつ、取締役会の意向として「2つの独立した会社として運営していく」とした。具体的な時期や方針は示していないが、新規株式公開(IPO)や他社への売却などが選択肢として考えられる。
生命保険事業は、長期金利の低下を受けた運用難に見舞われて苦戦していた。20年7~9月期の決算はまだ発表していないが、4~6月期の生保事業の税引き前利益は前年同期比16%減の8億8100万ドル(約920億円)だった。
ザフィーノ氏は現在、AIGの社長とグローバル最高執行責任者(COO)を務めている。保険業界で30年超の経験を持ち、17年7月にAIGに入った。17年からCEOを務めるブライアン・デュパロウ氏は取締役会議長に就く。ザフィーノ氏は社内外からデュパロウ氏の後継者と目され、損保事業の強化に取り組んできた。
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