13日、トランプ米大統領は演説で再選に固執するいつもの強気姿勢が見られなかった(ワシントン)=AP
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は大統領選での敗北を認めていないが、逆転勝利の道は狭まっている。13日に全米の勝敗が判明し、民主党のバイデン前副大統領が得た選挙人は306人、トランプ氏は232人と大差がついた。選挙結果が正式に確定すれば、トランプ氏が2024年の大統領選に再出馬を表明するとの観測も浮上している。
「時がたてば分かるだろう」。トランプ氏は13日、ホワイトハウスで行った新型コロナウイルスに関する演説で、大統領選の勝敗について言及した。7日にバイデン氏の当選が確実になってからトランプ氏が公の場で発言するのは初めて。
演説では勝利に固執するトランプ氏の強気な姿勢が見られなかった。トランプ氏は記者団の質問は受けずに立ち去った。ロイター通信はトランプ氏の演説での発言について「バイデン氏が後継になることを初めて認めたようだ」との見方を伝えた。
演説に先立ち、保守系メディアが13日配信したインタビューで、トランプ氏はバイデン氏の勝利が確実になった中西部ウィスコンシンや南部ジョージア両州で「勝利する」と主張した。ツイッターでは選挙の不正を訴え続けているが、明確な証拠は打ち出せていない。
ミシガン州裁判所は13日、トランプ陣営による不正選挙の訴えを却下した。トランプ陣営の弁護団も複数の州で撤退する意向を示した。法廷闘争で選挙結果を覆すシナリオは崩れつつある。
複数の主要メディアは13日、トランプ氏が南部ノースカロライナ州で勝利を確実にしたと報道。一方、ジョージア州はバイデン氏が制する見通しとなり、選挙人をめぐる両者の差は埋まらなかった。トランプ氏が選挙人で逆転するには、バイデン氏が勝った激戦州の3州以上を取り返す必要があり、見通しは厳しい。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ氏はバイデン氏の勝利が正式に認定された場合、24年の次期大統領選への再出馬を表明する考えを周辺に伝えた。トランプ陣営幹部はトランプ氏に対し、法廷闘争を繰り返してもバイデン氏の当確が覆る可能性は低いとの見方を伝えているという。ジョージアの再集計は20日までに終わり、トランプ陣営の法廷闘争が収束すれば選挙結果が確定する見通し。
トランプ氏の家族らの意見も割れる。米メディアによると、長男ジュニア氏や次男エリック氏は徹底抗戦を訴えるが、長女イバンカ氏やその夫ジャレッド・クシュナー氏は敗北を認める道を探っているという。
トランプ政権元高官はトランプ氏に政権移行への協力を促した。ジョン・ケリー元大統領首席補佐官は13日の声明で「移行の遅れは安全保障や健康をめぐる危機を増幅する」と強調。政権移行への協力が「実行すべき正しくかつ道徳的なことだ」と訴えた。ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)も「バイデン氏に必要な準備(の機会)を与えて当然だ」と指摘した。
共和党内の姿勢にも変化が出ている。マルコ・ルビオ上院議員は「敵は待ってくれない」と述べ、バイデン氏が安全保障などの機密情報に関するブリーフィングを受けるべきだとした。通常、大統領選に勝利した候補は就任に備えて安保当局者からブリーフィングを受ける。トランプ氏を支持するリンゼー・グラム上院議員ら複数の議員も同様の認識を示した。
一方、トランプ陣営顧問を務めるマクナニー大統領報道官は13日、FOXニュースのインタビューで「トランプ大統領は今後もトランプ大統領であり、2期目があると確信している」と強調した。ナバロ大統領補佐官も同日「ホワイトハウスではトランプ大統領の2期目があるとの前提で動いている」と説明した。
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