1日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反発し、前日比353円92銭(1.34%)高の2万6787円54銭で終えた。新型コロナウイルスのワクチンが年内にも利用が始まることへの期待感から、景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。海外株高にも支えられ、上げ幅は一時400円を超えた。1991年4月以来、約29年半ぶりの高値を再び更新して引けた。
日経平均は、長期のテクニカル分析の節目としてみられてきた、最高値からバブル後最安値までの下げ幅に対する61.8%戻しの水準(2万6745円)を終値として初めて上回った。
前日の米市場での株安を背景に、東京市場でも取引開始前は一時、悲観的な見方が優勢だった。だが、コロナワクチンへの期待から米株価指数先物相場が日本時間1日朝に堅調に推移したことを背景に投資家心理は一転して改善。日経平均は取引開始直後から高く始まった。11月の米ダウ工業株30種平均の月間上昇率が1987年1月以来の高水準となり、足元の相場の強さが改めて評価された面もあった。
上海総合指数など主要なアジア株がそろって上げたことでリスクを取りやすい環境が整った。機関投資家や売り方の買い戻しと見られる需要を背景に、午後に入ると上げ幅を一段と広げる場面があった。
半導体関連が買われたほか、非鉄金属や金属製品、海運など景気敏感株の一角にも買いが入った。
日経平均を東証株価指数(TOPIX)で割った「NT倍率」は前日に続き15倍台の歴史的高水準となった。高値警戒感も意識され、一時は上値を抑えられる場面もあった。もっとも買い意欲は依然として強く、高値圏での推移が続いた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比122.61ポイント(0.77%)高の1万6077.09だった。TOPIXも反発し、13.46ポイント(0.77%)高の1768.38で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8191億円。売買高は13億3122万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1526と、全体の7割を占めた。値下がりは577、変わらずは74銘柄だった。
ファストリや東エレク、ファナック、ダイキンなど、値がさ株の上昇が目立った。ソフトバンクグループが買われた。NTNや凸版、SUMCOも大きく上げた。半面、製品の不具合問題が発生した富士電機が大きく下げ、8社による政策保有株の売却が伝わったリクルートも下げた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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