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「議事堂に行け」トランプ氏、ハンドル握ろうと激高 議会襲撃直前 - 毎日新聞 - 毎日新聞

トランプ前米大統領 拡大
トランプ前米大統領

 米国で2021年1月に起きた連邦議会襲撃事件を調査する下院特別委員会の公聴会が28日開かれた。ホワイトハウスのスタッフが証言し、トランプ前大統領が事件直前、議会に向かおうとしてシークレットサービスに反対されて激高し、大統領専用車のハンドルを自ら握ろうとして警護担当者ともみ合いになった様子が明らかになった。

 28日の公聴会では、メドウズ大統領首席補佐官(当時)の側近だったハッチンソン氏が事件前後のホワイトハウスの様子を証言した。ハッチンソン氏はメドウズ氏の面会の記録や発言のメモなどを残しており、下院特別委の調査に協力していた。

 21年1月6日の事件直前、トランプ氏は議会から約2・5キロ離れたホワイトハウス近くで支持者向けに演説した。ハッチンソン氏の証言によると、トランプ氏は演説前に会場が埋まっていないのに腹を立て、警護担当者らが銃を持っている聴衆を会場に入れないようにしていたことについて「自分に危害を加えようとしているわけではない。会場に入れろ」などと側近に指示していた。演説では「議会へ行進しよう」「強さを見せなければならない」などと述べ、自らが敗北した20年の大統領選の公式集計手続きを行っていた連邦議会へ向かうよう呼びかけた。

 その後、トランプ氏は大統領専用車に乗り込み、議会に向かうように警護担当者に指示した。担当者が「安全ではありません。(ホワイトハウスの)西棟に戻ります」と説明すると、「私が大統領だ。議事堂に今すぐ連れて行け」と怒った。警護担当者が「西棟に戻らないといけません」と再度伝えたが、トランプ氏は運転席に身を乗り出してハンドルを握ろうとした。警護担当者が「議会には行けません」と言いながら制止しようとして、押しのけようとするトランプ氏ともみ合いになったという。

米連邦議会議事堂を取り囲むトランプ氏の支持者ら=米ワシントンで2021年1月6日、高本耕太撮影 拡大
米連邦議会議事堂を取り囲むトランプ氏の支持者ら=米ワシントンで2021年1月6日、高本耕太撮影

 専用車内での騒動について、ハッチンソン氏は演説後にホワイトハウスに戻った直後、オルナド大統領次席補佐官(当時)から聞いたという。その際、警護担当者でトランプ氏ともみ合ったエンゲル氏も同席していたとしている。

 特別委はハッチンソン氏の証言などを基に「トランプ氏らは、議会で暴力的な事件が起きる危険性を認識していた」とみている。一方、トランプ氏は28日、自らのSNS(ネット交流サービス)で「議会に向かうために専用車のハンドルを握ろうとするなどという作り話は病的ないかさまだ。銃を持った人間に演説を聴いてほしいなどと思う人間もいない」と、ハッチンソン氏の証言に反論した。

 トランプ氏は事件当日、結局、議会には向かわずにホワイトハウスに戻った。議会に向けて行進した支持者の一部は、議会内に乱入した。大統領選の集計手続きは一時中断し、進行役だった当時のペンス副大統領や議員らが避難する騒ぎになり、警察当局と乱入者との衝突で少なくとも5人が死亡した。トランプ氏は側近や家族が暴動を止めるよう求めたのを聞き入れず、長時間にわたってテレビで傍観していた。

 トランプ氏は大統領選の敗北を認めておらず、公式集計に合わせて議会を訪問することを計画していた。ハッチンソン氏も事件4日前の21年1月2日、トランプ氏の側近の弁護士、ジュリアーニ氏から「6日はすごい日になる。連邦議事堂に行く。大統領もそこに行く」と聞いていた。メドウズ氏もハッチンソン氏に「6日は本当にひどい事態になるかもしれない」と述べた。ホワイトハウス関係者からは「議会に行って何かが起きれば、どんな罪に問われるか分からない」との懸念の声も上がっていたという。

 下院特別委は9日から調査結果の概要を説明する一連の公聴会を開いており、28日は6回目の公聴会だった。今年11月の上下両院選などの中間選挙の前に最終的な調査報告をまとめる見通しだ。【ワシントン秋山信一】

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