
ロシアがウクライナに軍事侵攻してから今月24日で半年となるが、長期化した戦闘が収束する見通しは立たない。ロシアの軍事情勢に詳しい、東京大先端科学技術研究センターの小泉悠専任講師に現状と展望を聞いた。【聞き手・金寿英】
ロシアが2014年に強制編入したウクライナ南部のクリミア半島では、8月に入ってから、ロシア軍の航空基地や弾薬庫など軍事施設で爆発が相次いでいる。これにはウクライナ軍の特殊部隊が関与しているとみられる。
ウクライナの特殊部隊が関与か
背景では、ザポロジエ州や隣接するヘルソン州など南部戦線の攻防と連動しているのだろう。ウクライナのゼレンスキー大統領はクリミア奪還を目指す考えを示している。より差し迫った問題としてロシア軍の制圧下にある両州でロシアが強制編入を進めようとする中、少しでも領土を回復しておきたい意向があるのだろう。クリミアをたたけば、南部戦線へのロシア軍の補給は難しくなる。
ロシアとウクライナの軍事力が拮抗(きっこう)したまま、互いに決定打を欠いた状態で一進一退を繰り返している。ロシア軍がウクライナに投入している地上兵力は、正規軍や親露派武装勢力を含めて30万人程度だ。ウクライナ軍は総勢30万人から、国民総動員令で100万人規模にまで増員しており、軍事大国のロシアとしても簡単には勝てない。一方、ウクライナ軍も兵力では勝るが、戦車や大砲などロシア軍を撃退するだけの火力は圧倒的に不足している。
ロシア軍は首都キーウ(キエフ)周辺などから部隊を撤収させて東部戦線に集中させて以降、火力で優位に立ちジワジワと進軍してきたが、今は制圧下にある南部ヘルソン州でウクライナ軍の攻勢に押され、戦力の分散を迫られている。ウクライナ軍の反撃を可能にしたのは、欧米から供与された高機動ロケット砲システム(HIMARS)などの兵器だ。実戦投入された7月以降、ウクライナ軍は前線から離れたロシア軍の基地や武器庫などをピンポイントで破壊することでロシア軍の進軍を防ぎ、南部でも反撃に本腰を入れられるようになった。
プーチン氏を追い込むことをためらい
ただ、欧米諸国はウクライナが求める大砲や戦車、戦闘機などロシア軍を完全に敗北に追い込めるだけの軍事援助にまで踏み込んでいない。ロシアが現在の「特別軍事作戦」から「宣戦布告」へと切り替え、総動員令を発令する可能性や核使用への…
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