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米高官、偵察気球「中国から信頼に足る説明ない」 - 日本経済新聞

【ワシントン=坂口幸裕】クリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は22日の記者会見で、米軍が4日に撃墜した中国の偵察気球を巡り「いまも中国側から信頼に足る説明はない」と批判した。バイデン米大統領が意欲を示す中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との協議について「今のところ予定はない」と述べた。

偵察気球に関する米中の立場は異なる。米国は軍事施設を狙って通信を傍受できるアンテナが搭載され「情報収集活動が可能だった」と結論づけた。中国は「民間の気象研究用」と主張する。

ブリンケン米国務長官は3日、気球飛来を受けて首脳間で合意していた中国訪問を延期した。米軍が偵察気球を撃墜した直後、米側がオースティン国防長官と中国の魏鳳和国防相の電話協議を申し入れたが、中国側は拒んだ。

ラトナー米国防次官補(インド太平洋安全保障担当)は同日の記者会見で、中国の姿勢に「失望している」と語った。偶発的な軍事衝突を避けるため「オープンな意思疎通ラインを維持する」と強調した。

複数の台湾メディアによると、台湾の呉釗燮・外交部長(外相)は21日、首都ワシントン近郊で米政府高官と非公式に会談した。クリテンブリンク氏は台湾高官との協議について問われ「米国と台湾は非公式に強固な関係を持っている。その一環で日常的に頻繁に意思疎通している」と述べるにとどめた。

米政府は中国がウクライナ侵攻を続けるロシアへの武器支援を検討していると分析する。クリテンブリンク氏は「中国に殺傷力のある武器をロシアに供与したり制裁逃れを組織的に支援したりすれば深刻な影響をもたらすと明確にした」と断言。「米国の制裁に違反する中国の企業や個人を標的にするのをためらわない」と訴えた。

ブリンケン氏は18日に会談した中国外交担当トップの王毅(ワン・イー)氏に、ロシアへの武器支援を実行すれば「深刻な結果をもたらす」と警告した。

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