【ワシントン=大内清】米首都ワシントン近郊にある国防総省の付近で爆発による黒煙が上がったとする偽の写真が22日、ツイッター上で出回った。写真は人工知能(AI)で生成されたとみられ、信頼性を示す「認証」マークのある複数のアカウントに転載されたことから、株価が一時下落する騒ぎとなった。
NBCテレビやCNNなど米主要メディアによると、写真は22日朝、陰謀論集団Qアノンの主張などを拡散させているアカウントに掲載された後、ロシア政府系メディアRTや、報道機関を偽装したとみられる複数の認証済みアカウントが転載した。
これらを引用する形でインドのテレビ局や約160万人の読者を持つ経済ニュース系ブログが「国防総省付近で爆発」と伝え、ニューヨーク株式市場では株価が下落。その後、同州の消防当局が「爆発は起きていない」と発表し、株価は回復した。
ツイッターには政府や報道機関、著名人など公共性が高いアカウントの信頼性を確保する認証制度があるが、投資家のイーロン・マスク氏による昨年10月のツイッター社買収後は、一定の金額を支払えば一般ユーザーでも認証を得られるシステムを導入。このため認証が有名無実化し、偽情報が拡散しやすくなるとの懸念が高まっていた。
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