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ニジェールに大統領復権を要求、武力行使も辞さない構え 西アフリカ諸国 - BBCニュース

niger protesters with russian flag

画像提供, EPA

この日、ナイジェリアの首都アブジャで、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の緊急会合が開かれた。加盟国の指導者らは、拘束されているニジェールのモハメド・バズム大統領を1週間以内に復帰させるよう、クーデターを起こした軍事政権に求めた。

一方、軍事政権はこの要求が出される前に、周辺地域や西側諸国による「ニジェール侵略計画」には抵抗すると警告を発した。

ニジェールの首都ニアメーでは、旧宗主国フランスの大使館前で、クーデターを支持する数百人が抗議行動をした。

「あらゆる手段取る」と周辺国

ECOWASは首脳会議後に声明を発表。クーデターを「一切容認しない」とした。

また、バズム大統領復帰の要求が1週間以内に満たされない場合、「憲法による秩序の回復に必要なあらゆる手段を取る」と警告。

「そのような措置には武力行使も含まれる」とし、軍トップらが「直ちに」会合を開いて介入を計画するとした。

さらに、ニジェール上空における民間機の飛行禁止区域の即時設定や、同国とのすべての国境の閉鎖、軍事政権に対する金融制裁の実施も発表した。

会議には、国連の事務総長特別代表で、西アフリカ・サヘル事務所所長のレオナルド・サントス・シマオ氏も出席した。

同氏は、「ニジェールはテロとの戦いにおいて重要な役割を果たしている。もしその役割を果たせなくなれば、テロリストがこの地域で活動を拡大させる余裕と自由を得ることになる」とBBCの番組で話した。

同氏によると、ECOWASと軍事政権との間で「公式な交渉は行われていない」という。

チャド大統領が軍事政権側と会談

西アフリカでは近年、ニジェールの隣国マリやブルキナファソでもクーデターが発生している。だが、それを覆すことを目的に、ECOWASが軍事行動をちらつかせるのは今回が初めて。

ECOWASが最後に軍事介入したのは2017年で、セネガル軍がガンビアに派遣された。同国で長年の政権を握っていたヤヒヤ・ジャメ大統領(当時)が、選挙での敗北を受け入れなかったため、退陣に追い込んだ。

隣国チャドの政府によると、同国のマハマト・イドリス・デビ・イトノ大統領がニアメーを訪れ、軍事政権の副リーダーのサリフォウ・モディ将軍と会談した。政権を手放すよう、軍事政権に伝えたという。

Chad's President Mahamat Idriss Déby Itno (R) with junta deputy leader Gen Salifou Mody

画像提供, Chadian government

Presentational white space

今回のクーデターでは、フランスの植民地だったニジェールがロシアに接近するのではないかとの懸念が生じている。

大統領の座を奪われたバズム氏は、イスラム武装勢力との戦いで、地域や西側の国々と緊密に協力していた。

ブルキナファソとマリはクーデター後、それぞれロシアに近づいている。

AFP通信によると、ニアメーのフランス大使館前では、抗議デモ参加者の一部が「ロシア万歳」、「プーチン万歳」、「打倒フランス」などと声を合わせた。大使館の敷地の壁に火をつけた人もいたという。

フランスの大統領府は声明で、ニジェールにおけるフランスの利益への攻撃に対しては、「即時かつ強力な方法で」対処するとした。

map

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Presentational white space

ニジェールのクーデターは、西側諸国が非難している。一方、ロシアの雇い兵組織「ワグネル」の指導者エフゲニー・プリゴジン氏は、これを歓迎し、勝利だと呼んだとされる。

同氏はテレグラムのワグネル関連のチャンネルで、「ニジェールで起きたことは、ニジェール国民による植民地支配者との闘いにほかならない」と述べたという。

マリはクーデター後、イスラム武装勢力との戦いで、軍事政権がワグネルに支援を求めた。マリに部隊を駐留させていたフランスは昨年、軍事政権からの敵意が高まる中で、撤退を発表した。

フランスはその後、現地の軍司令部をニジェールに移した。

マリの軍事政権は6月、イスラム武装勢力に10年間対抗してきた国連の平和維持要員1万2000人についても撤退を求めた。

国連はこれに同意。年内に撤退を完了させるとしている。

フランスは29日、ニジェールへの開発援助と予算支援の全面停止を発表した。欧州連合(EU)とアメリカも同様の決定をしている。

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