NATO=北大西洋条約機構の首脳会議で、ウクライナがNATOに加盟するまでの安全の保証が課題となっています。アメリカ政府高官は、日本を含むG7=主要7か国がウクライナの自衛力の構築のため長期的な支援を行っていくことで合意する見込みだと明らかにしました。
リトアニアの首都ビリニュスで11日に始まったNATO首脳会議では、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナが求めていた「加盟に向けた正式な手続きの開始」は見送られ、ウクライナが加盟するまでの安全をどう保証するかが課題となっています。
こうした中、アメリカ ホワイトハウスの高官は12日、記者団に「アメリカはほかのG7の首脳とともに、ウクライナが自衛し、将来の攻撃を抑止できる軍事力を構築するための支援を行う意向を表明する」と述べ、G7の首脳がウクライナへの長期的な支援を行うことで合意し、ゼレンスキー大統領とともにまもなく表明する見込みだと明らかにしました。
この合意のもと、各国は、ウクライナとの2国間の安全保障に関する協議を行うとしており、ロシアによる将来的な侵略を抑止し、持続的な防衛力を確保するとしています。
NATO首脳会議は12日、最終日を迎え、日本などインド太平洋地域の国も参加して地域を越えた共通の安全保障上の課題などについて意見を交わしました。
このあと、ウクライナの将来的なNATO加盟などに向けて話し合うため、新たに創設された「NATOウクライナ理事会」の初会合がゼレンスキー大統領も参加して行われる予定です。
英政府“G7 ウクライナの安全保証約束する枠組みで合意へ”
それによりますと、G7のすべての国で署名される見通しの共同宣言では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を終わらせるために今後数年間、ウクライナをどう支援していくのかや、将来の攻撃をどう抑止し対処するかを打ち出すということです。
G7各国は、ウクライナが領土の一体性を将来にわたって守れるように、2国間で長期的な安全の確保を約束するとしています。
そして、共同宣言に基づき、G7各国はウクライナに対し防衛装備の提供や機密情報の共有、さらに訓練や軍事演習を拡大していくなどの支援を行うとしています。
ゼレンスキー大統領「優先して話し合いたい問題が3つ」
反転攻勢を進めるウクライナ軍への追加の軍事支援のほか、NATOが判断を先延ばしにした加盟に向けた手続きの開始の問題、それにNATOに加盟するまでのウクライナの「安全の保証」について、各国と協議したい考えを示しました。
ロシア大統領府 “ウクライナ支援は大きな間違い”
また、NATO=北大西洋条約機構について、「安定や安全を確保するためにつくられた同盟ではない。不安定と侵略をもたらす攻撃的な同盟だ」と述べ、改めて警戒感を示しました。
専門家 “ウクライナの加盟で大きな前進なし”
また、ウクライナの加盟を前進させることについては、バルト三国やポーランドなどが積極的だった一方で、ロシアとの直接的な軍事衝突を懸念するアメリカやドイツが消極的だったと指摘したうえで「NATO側も割れていて、ウクライナを受け入れる準備ができていないことが露呈した。妥協の結果として、今回のような文言になった」と述べ、NATO側での意見の違いが足かせとなったという見方を示しました。
一方、今回の結果に対するウクライナ側の受け止めについては「ウクライナは、NATO側とけんか別れする選択肢はない。加盟問題での進展がないかわりに、武器支援で新たな支援を引き出すテコとして使うだろう」と述べ、新たに創設された「NATOウクライナ理事会」などで、さらなる支援を訴えていくと分析しています。
そのうえで「ロシアは西側の支援疲れをねらっている。NATOにとっては、今の加盟に関する文言では、ロシアへのメッセージは弱い」と述べ、欧米側は、ロシアをにらんで、中長期的にウクライナを支援していく姿勢を明確に示す必要があると指摘しました。
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