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ロシアの「裏庭」での支配力が低下...ナゴルノカラバフでの衝突が示す新たな局面 - Newsweekjapan

<ウクライナ戦争の出口が見えないなか、ナゴルノカラバフに新たな動きが。本誌「『次のウクライナ』を読む 世界の火薬庫」特集より>

カフカス地方南部は、ロシアが影響力を振るってきた「裏庭」。だがウクライナ戦争に力を注いでいる間に、すっかり手が回らなくなっていた。4月11日、この地域のアルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフで、両国軍が衝突した。ナゴルノカラバフは、1994年の第1次ナゴルノカラバフ紛争終結から26年間、アルメニア軍が占領していた。国連憲章ではアゼルバイジャン領とされているが、アルメニア系住民が多数を占めている。

 
 
 
 

ソ連が崩壊に向かっていた88年、ナゴルノカラバフのアルメニア人がアルメニアへの編入を要求。91年に分離派がアルメニア政府を後ろ盾に「ナゴルノカラバフ共和国」の樹立を宣言したが、承認した国はなかった。2020年の第2次紛争では、アゼルバイジャンが領土の大半を奪還し、ロシアの仲介で停戦合意した。

この停戦は、正式な和平合意の道筋をつくるためとされた。だが多くの専門家は、アルメニアと同盟関係にあるロシアがあくまで「停戦」を望んだとみている。和平条約を結べばアゼルバイジャンに有利なものになるのは確実で、ロシアが平和維持部隊を駐留させ続けて影響力を行使することもできなくなる。

4月の衝突は、ロシアがこの地域への支配力を失いつつあることをはっきりと示した。この流れを食い止めようと、ロシアは平和維持部隊の新司令官にアレクサンドル・レンツォフ将軍を任命。チェチェン共和国や南オセチアでの経験も豊富なレンツォフの起用は、ロシアがカフカスの支配権奪還に真剣になっている証拠だ。レンツォフが策を巡らせて事態を混乱させる前に、西側諸国は和平交渉を推し進める必要がある。

まず、ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土だとアルメニアに認めさせなくてはならない。アルメニアのニコル・パシニャン首相は最近、アゼルバイジャン領と認める用意はあると発言しており、和平への最大の障害が取り除かれるかもしれない。

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