上訴審は委員の欠員で機能不全に陥っている(スイス・ジュネーブのWTO本部)=ロイター
【ソウル=鈴木壮太郎】世界貿易機関(WTO)は11月30日、日本製のステンレス鋼に課すアンチダンピング(不当廉売)関税を撤回するよう韓国に勧告したが、韓国政府は1日、これを不服として最終審にあたる上級委員会に上訴すると表明した。だが、上訴審は委員の欠員で機能不全に陥っており、韓国は第三者の仲裁などによる日本との紛争解決も模索する。
対象は産業機械や自動車部品向けのステンレス鋼。韓国は同国に日本製品が不当に安い価格で流入し、国内産業が実質的な損害を受けているとして、2004年に15.39%の課税を始めた。
日本の経済産業省は17年6月までに約56億6000万円が課税されたと推計。日本は韓国の措置が不当だと主張してWTOに提訴し、18年10月にはパネルが設置された。
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