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中世の「黒死病」、起源はどこ? 中央アジア説にDNAが示す新証拠 - 朝日新聞デジタル

  • アピタル

 中世ヨーロッパを襲い、人口の3分の1が犠牲になったともされる「黒死病」。その原因となるペスト菌が、14世紀の中央アジアからもたらされたとする研究成果を、ドイツや英国のチームが発表した。

 いまのキルギス北部で、過去に発掘された人骨から、当時のペスト菌のDNAを復元。現存のペスト菌と比べたところ、流行の起点となる動物から人への感染が、キルギスと中国にまたがる天山山脈の周辺で起きたと考えられるという。

 成果は15日付の科学誌ネイチャー電子版(https://www.nature.com/articles/s41586-022-04800-3別ウインドウで開きます)で発表される。

 ペストは、ペスト菌という細菌が引き起こす感染症。ペスト菌はネズミの仲間の体内に潜んでいて、ネズミに寄生するノミが媒介して人に感染する。

 歴史上、過去に3回の大流行があったとされ、このうち2回目にあたる14世紀の欧州で広がったペストは「黒死病」と呼ばれて恐れられた。

 1346年春に、クリミア半島の黒海沿岸で発生したのが黒死病の最初の記録。47年に、当時の黒海沿岸を支配していた遊牧国家キプチャク・ハン国との交易を通じて、地中海にはじめてもたらされ、その後、欧州や中東、北アフリカなどに広がったとされる。

 このときの大流行がどこで始まったのかについては、西ユーラシアから東アジアまで、さまざまな説があった。

 その中でも考古学的な証拠の…

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