海外逃亡のタクシン元首相、8月に帰国へ 2008年以来次女公表：朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

バンコク=翁長忠雄2023年7月26日 13時56分

　2006年の軍事クーデターで政権を追われ、08年から海外逃亡生活を続けているタイのタクシン元首相（74）が8月10日に帰国すると、5月の下院総選挙で第2党となったタクシン派のタイ貢献党の首相候補である次女、ペートンタン氏が26日、自身のソーシャルメディアで明らかにした。

　タクシン氏はこれまでもたびたび帰国の意思を表明。5月1日にペートンタン氏が長男を出産した際にも「孫の世話をしたい」と帰国する考えを明らかにしていた。ただ、親族によって帰国日が明示されるのは異例。26日はタクシン氏の誕生日で、ペートンタン氏はインスタグラムで「父が（バンコク北部の）ドンムアン空港に到着する」と、空港についても具体的に言及。「父の決断を尊重している」とした。

　タクシン氏は01年から首相を務めていたが06年の軍事クーデターで失脚。08年に最高裁が汚職防止法違反で実刑判決を言い渡す直前に国外に出国した。今回、帰国すれば収監されることになる。

　総選挙で第1党となった革新系政党、前進党のピター党首は、野党8党の統一首相候補として国会の上下両院合同の首相指名選で擁立されたが指名を得ることができず、貢献党から首相候補を擁立することになっている。同党はペートンタン氏を含めて3人の首相候補がいる。

　タイにはまだタクシン氏の支持者が多くいる。帰国決定が首相指名選に影響する可能性がある。（バンコク=翁長忠雄）

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