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代替食品ラッシュ。魚から採取した細胞を培養した代替シーフードが誕生(アメリカ)(2020年1月18日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース

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DronG/iStock


 人口増加に対応する為、あるいは環境保護の観点から、2040年までに世界の動物肉の60%が人工肉(植物由来の肉や培養肉)に置き換わると言われている。

 これは動物の肉に限ったことではない。海の幸である魚の肉もしかりだ。

 アメリカの企業が、魚から採取した細胞を培養して代替シーフードの作成に成功した。将来的には魚の代わりとして多くの人々の胃袋を満たす予定だという。
・魚の細胞から培養した培養シーフード

 アメリカ、サンディエゴに拠点を置く「ブルーナル(BlueNalu)」は、魚から採取した細胞を培養して作る代替シーフード製品の開発に成功した。目標とするのは、サンディエゴ周辺に暮らす1000万人分のシーフード需要を満たすことだ。

 そのシーフードはスズキ目のアイナメやシイラ、ヒウチダイ科のオレンジラフィーから採取した筋肉細胞から作られる。

 採取した細胞に企業秘密のビタミン・アミノ酸・糖類のブレンドを与えながら、細心の注意を払って培養。こうしてシート状の完全な筋組織に成長したら切り分け、生食用や冷凍食品、あるいは他の料理の具材として販売される。

 だが、天然や養殖の魚とは違い、頭や尾びれは無論のこと、骨も血もない。それは海の幸ではないシーフードなのだ。

 「消費者は変化しています。彼らは健康や地球のことを気にするようになっています。単なる流行ではありません。これが今起きていることです」とブルーナルのルー・クーパーハウスCEOは言う。

 同社では昨年12月、ブリから取り出した細胞を培養することによって、完全な切り身を作り出すことに成功している。

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培養された切り身から作られた和え物料理

image credit:sandiegouniontribune


 ブルーナルが狙うのは、これまでシーフードを食べてきた人たちばかりではない。

 菜食主義の人たちにとって、同社の製品は曖昧なものだ。一番最初は魚から採取した細胞を使うが、それは一度だけのことだし、そこから培養される魚肉には頭も脳も内臓も何もない。

 ならば普段は植物由来のタンパク質を好む人たちに対しても、十分アピールすることができるだろうというのが同社の考えだ。

・代替肉・代替シーフード企業の設立ラッシュ

 代替食肉関連の非営利団体グッド・フード・インスティテュートによると、ブルーナルはこうしたことを試みる数多くある企業のうちのひとつだ。

 世界には、動物の細胞から肉を培養しようと試みる企業がおよそ2ダース(24)ある。ただし、ほとんどは牛肉のような家畜の肉で、シーフードを扱っている企業はブルーナルを含めて6社ほどだ。

 養殖が難しい魚を対象としたブルーナルのほか、マグロを扱うフィンレス・フーズ(Finless Foods)、サケを扱うワイルド・タイプ(Wild Type)などがあり、どの企業も今後5〜10年を目処に商品を流通させようとしている。

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ワイルド・タイプのサーモン料理

 だがグッド・フード・インスティテュートによると、現時点で、美味しい製品をまともに提供できる企業はないようだ。

 たとえば最近シンガポールで開催された食品関連イベント(Disruption in Food and Sustainability Summit)では、代替シーフード企業シオク・ミート(Shiok Meats)の培養エビを試食できたのはたった3名だけだったという。

・代替シーフードは環境に優しいのか

 まだ始まったばかりの培養シーフード産業であるが、すでに従来の水産業界の弱みを突いたマーケティング戦略を繰り広げている。

 それは違法漁業や乱獲、海水の温度上昇・酸化、動物の福祉、食品廃棄物といった問題で、培養シーフードならそうした環境負荷は小さいというのだ。さらに水銀などの有害な物質や寄生虫などの汚染を心配する必要もない。

 しかし環境NGOは、注目してはいるものの、今の時点ではそれに対する態度をまだ決めかねているようだ。たとえばWWFの持続可能な食品の専門家は、従来の水産物と培養シーフードを比較できないかもしれないと述べている。

 細胞の培養にどの程度エネルギーが使われるのか、どの程度の温室効果ガスが排出されるのか、これらを詳しく把握し、従来の漁業と比較するには、企業秘密を公開しなければない。そのようなことをあえてしようという培養シーフード企業などない。

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taylanibrahim/iStock


 また、培養シーフードによって乱獲が減少するという保証もない。養殖業者は同じセリフをずっと昔から言い続けてきたが、たとえば天然サケの漁獲量が減るようなことはなかった。むしろ、サケの養殖はサケ全体の消費量を増やしただけだったのだ。

 さらに培養シーフードに注目しつつ、天然水産物の水揚げ量を増やすことに注力する団体もある。というのも、国連によれば、いまだ世界の32億人がタンパク源として漁業に依存しているからだ。

 いずれにせよ、ブルーナルのクーパーハウスCEOは、世界的に見れば、天然・養殖・培養シーフードの3分野が成り立つだけの十分な余地があると主張している。

 「獲るにせよ、育てるにせよ、作るにせよ、我々が需要を満たせるのかどうか分かりませんね」とのことだ。

References:npr/ sandiegouniontribuneなど/ written by hiroching / edited by parumo

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January 18, 2020 at 06:30PM
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